労働条件審査REVIEW

労働条件審査とは

社労士による‘労働条件審査’は、一般競争入札等により、地方自治体の業務を代行する指定管理者、国や地方自治体が発注する公共事業を請け負った企業について、労働基準法等の労働社会保険諸法令が遵守され、適正な職場環境が維持されているか、等の確認とともに、労働者がいきいきと働くことができる職場になっているかを確認するものです。
多摩地域の昭島市においても、平成31年4月より市民図書館の指定管理者に対する労働条件審査を東京都社会保険労務士会多摩統括支部へ委託することとなり、従事する労働者の労働環境の適正化と事業者の経営環境の維持改善の実現への動きが具体化されました。

労働条件審査導入のメリット

社労士による‘労働条件審査’を導入することで、労働条件が整備された企業に安心して業務を任せることができます。また、働きやすい職場づくりに力を入れることで、企業の従業員の皆様が安心していきいきと働くことができるようになり、公共サービスの質を向上させることが期待できます。

ご注意ください!

職場環境が悪いと仕事へのモチベーションが下がります。
そのまま放置しておくと、サービスの低下や安全管理意識の欠如につながり、
生命にかかわる重大な事故を招くおそれさえあります。

市営プール 児童死亡事故(平成18年7月 埼玉県ふじみ野市)
プールの給水口に児童が吸い込まれて死亡した事故です。
受託した管理者側と自治体との連携のあり方に問題があったことが明らかになりました。
市営プール 児童死亡事故(平成19年8月 島根県出雲市)
水上滑り台の着水プールで児童が沈んだ状態で見つかり死亡した事故です。
指定管理者であるNPO法人が管理する施設で、適正な人員を配置することができず、そのため、監視員マニュアルを遵守する体制になっていなかったことが判明しました。
この事故以前にも施設利用者の骨折等の事故が相次いで発生していました。
県体育館 会社員死亡事故(平成21年12月 静岡県)
バスケットゴールの折りたたみ式支柱に首を挟まれて会社員が死亡した事故。
器具について指定管理者が最も高い不具合「AA」ランクである報告を受けていながら、対策等を取らず放置していました。

労働条件審査 導入の流れ

STEP
1

打ち合わせによる審査内容の決定

【打ち合わせの主な内容】

  • ・審査の目的(なぜ審査を行うのか)
  • ・審査の範囲、内容(どの項目をどの程度審査するか)
  • ・報告書の要件(いつまでにどのような報告書が必要か)
  • ・アフターフォローの必要性(不備等の改善提案は必要か)
STEP
2

労働条件審査の実施
(調査チーム:社労士3~5名で構成)

【審査期間中の実施事項】

  • (1) 指定管理者等の事業者が作成した就業規則類の確認
    • ・法令に基づく規程類の整備状況や内容の審査
  • (2) 規程類の実態面ないし機能面の確認
    • ・付属書類・関係書類の確認および労働者へのヒアリングによる審査
  • (3) 審査報告書の作成
    • ・(1)(2)の審査結果を審査結果報告書として作成
STEP
3

審査結果報告書の提出

社会保険労務士会の取組状況

東京都
市部
平成31年度から昭島市教育委員会所轄の市民図書館指定管理者に対する労働条件審査の受託をすることとなりました。
東京都内の市部において初めての受託となり、今後周辺市町村への波及が見込まれます。
中央
官庁
法務省から証明書発行業務(乙号業務)への入札参加事業者に対する労働条件審査(平成24年及び平成27年)について、社会保険労務士会が受託し一定の成果をあげています。
東京都
「建設工事の労働条件、労働環境に関する特別調査」として、東京都財務局が発注している建設工事について、元請及び一次・二次下請け事業者に対する調査を行っています。平成28年度は21事業者に対して実施、平成29年度は25事業者に対して第三次下請け事業者も含め実施し、平成31年度以降も継続されています。また、平成29年度以降は東京都総務局の所管する指定管理者に対し、労働条件審査を実施しています。
東京都
23区内
平成28年度は都内20区148施設を対象に実施しました。
平成29年度もほぼ同規模で実施しています。

労働条件自主点検チェックシート

 ~あなたの会社の労働条件は大丈夫ですか? ~

平成31年4月から順次施行されている「働き方改革関連法」に基づき、今後、事業者が従業員の労働条件を適正に保ち、より健全な経営を行うことが求められることとなります。
また、近年、従業員との労働条件に関するルールが守られていなかったために紛争に発展する事例が増加しており、多額の損害賠償が命じられることもあります。
入札や指定管理者としての契約を通じて国や自治体の仕事を受注する場合も、従業員の労働条件が適正であるかを詳細に点検する『労働条件審査』を要件とするケースが増えてきています。
この機会に貴社の労働条件の一部をチェック ☑ してみてください。
チェック後の改善点のための助言やさらに詳細な点についての点検等のご希望がありましたら、お問合わせ・ご相談ください。

労働条件自主点検チェックシートをダウンロードしてご活用ください。

導入に関するお問い合わせ先

東京都社会保険労務士会 多摩統括支部

所在地 東京都立川市錦町1-10-25 Y・S錦町ビル8F 坂本社会保険労務士事務所内
氏 名 多摩統括支部長  坂本 鉄也
連絡先 TEL.042-540-0333
FAX.042-521-2929

東京都社会保険労務士政治連盟 多摩統括支部

所在地 東京都八王子市久保山町2-26-7 犀川美佐緒総合事務所内
氏 名 多摩統括支部会長 犀川 美佐緒
連絡先 TEL.042-691-8773
FAX.042-691-8776

(労働条件審査の内容に関するお問合せ先)

所在地 東京都町田市南大谷1426番地280-1F 安藤社会保険労務士事務所内
多摩統括支部 経営労務監査・労働条件審査推進委員会
氏 名 担当副支部長  安藤 隆彦
連絡先 TEL.042-721-5806
FAX.042-721-5813
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